UNPAID OVERTIME PAY未払い賃金・残業代請求

CASE職種別残業代請求のポイント

未払い賃金・残業代の請求のポイントは、職種によっても異なります。
こちらでは特にご相談をいただく3つの職種についてのポイントをご紹介します。

運送業・配送業

トラック運転手などの運送ドライバーや配送・宅配ドライバーの人材不足は非情に深刻で、労働基準監督署からの調査や是正勧告が出されるほど、違法な長時間・過重労働が常態化しています。

国土交通省や厚生労働省者による、長時間労働の抑制に向けた取り組みがなされている一方で、運送会社の中には、「固定残業代制」や「事業場外労働でのみなし労働時間制」を悪用し、残業代が支払わないというケースが増えています。

トラック運転手などは労働時間の算定が難しいと言われることもありますが、証拠となりうるものを揃え、しっかりと立証できれば、残業代を請求することができます。

証拠となりうるもの

デジタルタコグラフ・日報・運行記録と時間・手帳やメモなどへの詳細な記録・配車

IT・メディア

IT・WEBメディアの企業では、「固定残業制」や「裁量労働制」、「年俸制」を採用していることが多いですが、固定残業代を超える時間外労働を行っても残業代が支払われないなどのケースが少なくありません。
また、出退勤や勤務時間など時間の管理も個人の裁量に任せる「裁量労働制」ですが、常識を外れた仕事量を与えて、社員を使い倒している確信犯的な企業もあるようです。

この「裁量労働制」には、「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」があり、それぞれ対象業務が法令により定められています。
「専門業務型裁量労働制の対象業務ではない仕事をしているにもかかわらず、労使協定の書面には法令にある対象業務が記載されている」といったことはないでしょうか。その場合、裁量労働制は無効となり、実労働時間がみなし労働時間を超えている場合、残業代を請求できる可能性があります。

証拠となりうるもの

タイムカード・実労働時間を記録したメモ・パソコンのログ履歴・メール履歴・作業報告書

看護師(その他の医療従事者も含む。ただし医師は除く)

当事務所で一番多い相談者の職種が医療従事者です。
個人病院などの比較的規模の小さいクリニックを退職された方からの相談が圧倒的で、その中でも特に、耳鼻咽喉科、眼科、歯科、心療内科が類型的に多いです。

不規則な勤務形態と、慢性的な人材不足により、看護師のサービス残業は常態化しています。業務開始時間の前に患者の情報収集をしたり、休日の研修会に参加したりした場合も、残業をなかなか申請できないのが現状です。

しかし、労働基準法では1日8時間・週40時間を超えて働いた場合は、原則、雇用主は従業員に対して、残業代を支払わなければならないと定められています。 もちろん、終業時間を超えて働いた場合だけではなく、始業時間より早く来て働いた場合も、残業代が発生します。

下記のような場合でも、就業時間の記録が残った証拠があれば、看護師でも未払い分の残業代を請求可能です。

  • 「過去の残業代はさかのぼって請求できない」と言われている
    過去の残業代については、たとえ退職していたとしても、過去2年間はさかのぼって未払いの残業代を請求できます。また、退職後に過去の残業代を請求する場合、当時の雇用主に遅延損害金を支払わせることも可能です。
  • 「研修や勉強会は業務ではない」と言われている
    研修や勉強会のうち、出席しなければ業務に支障をきたすようなものや、強制参加のものは、労働に当たるため、残業の対象となり、残業代を請求可能です。
  • 「定時直前や直後の緊急対応は、師長からの命令ではなく、自主的にしているものだから、残業にはならない」と言われている
    確かに、残業は、上司からの命令によるもののみであり、自主的に行っているものは該当しないというのが基本です。しかし、定時直前のナースコールや入院患者対応など、緊急で引き継ぎもできない事情がある場合は、「黙示的に業務命令となっているもの」とみなされる可能性が高く、残業になりますので、残業代の請求が可能です。
  • 「業務開始時間前の情報収集や、業務終了時間後の看護記録の作成は業務に含まれない」と言われている
    もし、それをやらなければ、業務に支障をきたすような作業は、労働とみなされます。情報収集や看護記録の作成は業務に直接関係するものですので、たとえ既定の就業時間外に行ったとしても労働です。したがって、該当する作業時間は残業時間となる可能性が高く、残業代を請求できます。

証拠となりうるもの

タイムカード、就業時間のメモ、電子カルテの記録、業務日報のメール、勤務シフト表